2015年8月30日日曜日

宿題の答え

by 梅津志保


急に涼しくなった。私は、この夏旅した、琵琶湖を想う。滞在した湖西は、京都や福井に近い。山に囲まれた地域には、秋が早くやってくるだろう。

近江八幡の、お侍が出てきそうな町並みや、鬱蒼たる緑の中の比叡山延暦寺も行ってよかったが、 今回、強烈に心に残ったのは、琵琶湖のそばの「かばた」の暮らしだ。

かばた(川端)は、湧水が流れる水路を、町の人が共同で生活水として利用する暮らしだ。お皿を洗ったり、野菜を冷やしたり。 誰か一人が川を汚すと、隣の家々の迷惑になる。きれいな水路には、鯉が泳ぎ、ご飯粒を食し、きれいな水は琵琶湖へと注ぎ、鮎や小魚が遡上する。

地域の人に案内してもらったが、「守る」という言葉をこんなに強く意識したことはなかった。人々が守ってきたからこそ、私は、この奇跡的に残された、美しい光景を見ることができる。それは一人でできることではない。町全体で取り組むことなのだ。割と「守られて」来た今までの自分を知る。それは、とても幸福なことだが、果たして私が「守る」ものは何だろう、俳句で今、次に伝えたいものは。夏休みの宿題の答えは、これからじっくり出すことになる。

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