2016年1月18日月曜日

なんにもしなくていい時間

by 井上雪子


お正月。年齢を重ねるほど、元旦からの一週間くらいがとても好きになりました。

子どもの頃は、お屠蘇もお獅子も嫌い。しんとした町が寂しくて、大みそかまでの賑わいを恋しく思っていました。一瞬にして非日常になる周囲、間に合わない自分に困っていたのかなと思います。

最近は、なんにもしなくていい、そう思えるお正月に心身ともにリラックス。淑気や和食の美しさを静かさにめでたいと思う。ただ、子どもの頃以上に年賀状が書けなくなって困ってしまいます。

「あすは元日が来る 佛とわたくし」(尾崎放哉)。
子どももおとしよりも大切にされる一年になるように願いながらも、貧しく孤立に傾く道を歩く、寂しく自由な放哉さんの俳句もいいなあと思う。どこかに安堵があるような。

今年もゆっくり歩きます。初雪の、風邪ひきの昼です。

2016年1月6日水曜日

2016年にむけて

by 梅津志保


年末年始の休暇は5日。振り替えると、本を読み、実家に行き、お墓参りをし、自宅に獅子舞を迎え、風邪をひいて寝込むというかなりハードなものだった。

しかし、この5日間に、たくさんの季語が凝縮されていて、年末年始は特に俳句を意識する。

特に、父と大晦日「12時までに『去年今年』で俳句を作る。」というのを夜8時くらいから始め発表し合うというのはスリリングであった。

こたつに入り、みかんを食べながら、互いに批評し合う時間もまた良し。

2016年は、どんな季語と出会い、どんな俳句と出会えるか。一日にひとつ、美しいことを見つけながら、進んでいきたい。