by 井上雪子
お正月。年齢を重ねるほど、元旦からの一週間くらいがとても好きになりました。
子どもの頃は、お屠蘇もお獅子も嫌い。しんとした町が寂しくて、大みそかまでの賑わいを恋しく思っていました。一瞬にして非日常になる周囲、間に合わない自分に困っていたのかなと思います。
最近は、なんにもしなくていい、そう思えるお正月に心身ともにリラックス。淑気や和食の美しさを静かさにめでたいと思う。ただ、子どもの頃以上に年賀状が書けなくなって困ってしまいます。
「あすは元日が来る 佛とわたくし」(尾崎放哉)。
子どももおとしよりも大切にされる一年になるように願いながらも、貧しく孤立に傾く道を歩く、寂しく自由な放哉さんの俳句もいいなあと思う。どこかに安堵があるような。
今年もゆっくり歩きます。初雪の、風邪ひきの昼です。
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