by 梅津志保
「鶴の北帰向が確認されました。」数日前、そんなニュースを見た。私は、初めて聞く「北帰向」という言葉が胸に響いた。
文字通り、日本に渡ってきた鳥が、暖かくなりシベリアなどに帰ることをいうらしい。2月、早春が近づいていることを本能で知る鳥、数か月かけて飛ぶ鳥、日本の大地を飛び上がれば、そこから旅は始まる。昼も夜も飛ぶのだろうか。
その言葉は5文字。とても詩的な言葉だと思った。俳句の17文字でも少ないと思っていたけど、5文字でも力のある言葉に出会い、はっとさせられる。
多ければいいというものではなく、その言葉にどれだけの思いを馳せることができるか、重みがあるか。
研ぎ澄まされた言葉は、美しい佇まいをしている。
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