2014年6月30日月曜日

進む

by 梅津志保


6月初めに放送されたドラマを見忘れてしまったので、原作『みをつくし料理帖』(高田郁著・ハルキ文庫)を読むことにした。 女性料理人「澪」が周囲の人に厳しく、優しく諭されて、料理の道に生きるという時代小説だ。季節ごとの食材を用いた料理の話や江戸の暮らしが丁寧に描かれていて、今も繰り返し読んでいる。

その中で主人公がどんな料理人を目指すのか迷う場面がある。一流料亭の味を作る料理人か、町で暮らす人が喜ぶ気安い味を作る料理人か。最終的には「食は、人の天なり」という言葉に従い、食べる人を健やかにする料理人になりたいという想いに到達する。 
読みながら、私はどんな俳句を作る人になりたいだろうかと考えた。俳句という十七音が入る小さな器に、季語を入れ、自分の世界を作る。読んでもらう人にどんな気持ちになってもらいたいか、自分の気持ちが先走っていないか、自分らしい世界は作れているか、詩は生まれているか。 

まだ、どんな俳句を作る人になるか答えは出ない。でも、句集を読んでいて「なんて気持ちのいい俳句」「この俳句好き」という傾向は見えてきた。自分の欠点や良さも見つめて、コツコツ進んでいこう。

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