by 梅津志保
『365日入門シリーズ 食の一句』(櫂未知子、ふらんす堂、2005年)7月5日は、
シャーベット明石の雨を避けながら 須原和男
である。雨が続く日々。何を食べれば元気が出るのだろうと、この本を開いたところ、気持ちよく、この句が飛び込んできた。
旅先の明石で雨に降られる。たどり着いたレストランで、シャーベットを食べる。シャーベットはメロン味だろうか。色は柔らかなグリーン、口の中に入れるとシャリシャリという音がする、口の中のひんやり感。明石の雨の中で、五感は磨かれる。
シャーベットは、夏の季語ということを、この句で初めて知った。今では、冬でもこたつでアイスを食べるCMが流れているが、冷たいものは夏に食べたい。ほかに夏の食の季語は何だろう。歳時記をめくっているうちに、食欲がわいてきた。明日は何を食べよう。食は明日への架け橋である。
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