2015年6月22日月曜日

生きものの夏

by 梅津志保


夏は、たくさんの動物が動く季節である。

今年、2回、我が家で天道虫を見た。電気を付けてしばらくするとチカチカと天井を飛び回ったり、カーテンに止まっていたり。独特の赤い色は、とても目につき、「目立つこの色でよかったね」と思い、捕まえては外へ逃がす。

指先から空へ飛び立つ様が、とても良い。小さな黒い羽根を細かく動かし、一目散に空に飛び立つ。自分の気持ちも解放されたような気持ちになる。

何か緑の物が動いた!と思ってよく見ると、蟷螂の子が玄関の硝子戸にしがみついていた。蟷螂は秋の季語だが、子は今頃よく見る。指先に乗るほど小さいが、きちんと鎌を持ち上げ、三角形の頭、大きな眼の、その独特な形は、大小関係なく、間違いなく蟷螂に生まれてきたことを証明していて、家には入らず、しばらくその姿を見てしまった。

蚊の子、ボウフラを食す玄関先の水草の桶に放たれたメダカ。駐車場の主のヤモリ。「僕等はみんな生きている」という歌をふと思い出した。

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