by 梅津志保
たくさんの俳句が私の中を通り過ぎてゆく。
そんな中「!」と立ち止まってしまう俳句に時々出会う。
軒の氷柱に息吹つかけて黒馬よ黒馬よ(臼田亞浪)
なぜこの俳句が私を揺さぶるのか。この俳句の持つ色の世界の美しさなのか、俳人の力なのか、私の今の心持ちなのか。
その全てかもしれないし、他にも何かあるのかもしれない。このことについては、今後もう少し深く、ゆっくりと考えてみたいと思う。ただ、この俳句を読むと、どんなに自分の心がざわざわしていても、私は、すっと雪原の軒下に立ち、黒い馬を見つめ、「静かな生」をいつでも感じることができて、また帰ってこれる、こんな俳句に出会えたということが、今は大きな喜びだ。
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