2014年9月30日火曜日

立ち止まる

by 梅津志保


たくさんの俳句が私の中を通り過ぎてゆく。

そんな中「!」と立ち止まってしまう俳句に時々出会う。

軒の氷柱に息吹つかけて黒馬よ黒馬よ(臼田亞浪)

なぜこの俳句が私を揺さぶるのか。この俳句の持つ色の世界の美しさなのか、俳人の力なのか、私の今の心持ちなのか。
その全てかもしれないし、他にも何かあるのかもしれない。このことについては、今後もう少し深く、ゆっくりと考えてみたいと思う。ただ、この俳句を読むと、どんなに自分の心がざわざわしていても、私は、すっと雪原の軒下に立ち、黒い馬を見つめ、「静かな生」をいつでも感じることができて、また帰ってこれる、こんな俳句に出会えたということが、今は大きな喜びだ。

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