2014年9月8日月曜日

秋の海岸にて

by 梅津志保


週末、海に行った。私は、家族がウィンドサーフィンで沖に出ている間、歳時記をぱらぱらめくったり、犬を連れて散歩をしたりする。

海には、いろいろな人が来る。営業終了の「海の家」を解体に来ている職人さん。そのそばでは「夏はまだ終わっていない」とばかりに海に飛びこむ三人の大学生風の男の子たち。赤ちゃんを連れた家族連れは、簡易的なテントをパッと広げて、ひと休み。お弁当を広げて食べたらすぐに立ち去る男性。乗馬に来ている人たちもいた。

みんな、好きな時間に来て、好きな時間に帰っていく。街や山で過ごす時間とはちょっと違う、成り行きの「海の時間」が流れているようだ。

海という大きなものだけ共有して、あとはみなさんご自由に。そんな大らかさが海にはある。いつも時間に追われている私は、そんなところが少し落ち着かない。
と、理屈っぽく言えばそうなのだけど、単純に、秋の海岸は、夏よりも人が少なくなり、風も涼しく、穏やかで好ましい。いつまでも、どこまでも歩いていけそうで、気がつくと夕方になっていて、「海の時間」に順応している私がいる。

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