2014年7月30日水曜日

走る

by 梅津志保


時々、家のそばを流れる川沿いにある道をジョギングする。

夏草は道の両側から茂り、道幅を狭くする。夜走る時は、夏草がぐっと濃い色を増し、両側から迫ってくるような気がして、その場を急いで駆け抜ける。冬の枯れ草は、どんどん草の密度が減って、見通しも良く、道幅は広くなり、犬とのんびりと散歩する人とすれ違う。

春には、燕がびゅんびゅん飛び回り、秋には虫が鳴き、蜻蛉がすいっと横切ってゆく。 川の周囲は、毎年その繰り返し。そして、私は、夏には「ミニ権太坂」と名付けた小さな坂をふうふう言いながら上り、冬には爽快な汗をかく。体全体で季節の移り変わりを受けとめる。

ジョギングと俳句は似ていると思う。いつでも自分の好きな時に始められる。そして、少ない物で、ジョギングは、シューズとウェア、俳句は、とりあえず歳時記とメモ帳とペンがあれば、始められる。

「削ぎ落とすこと」。ジョギングと俳句が教えてくれた。

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