2015年9月14日月曜日

サカナクションと秋

by 梅津志保


「きっと言葉を大切にしている人だ。」テレビのテロップにサカナクションの歌詞が流れた途端そう思った。

NHKのサッカーの公式ソングだったらしい。歌詞の中には、苦しさや頑張ろうといった応援らしさは感じられず、ただ選手の精神性だけが描かれているように感じられた。それだけで十分なのかもしれない。それ以上のことは言えないのかもしれない。ひとつひとつの言葉の重み。歌詞がこんなにまで心に届いたのは久しぶりだった。

作詞をしたサカナクション山口一郎氏は、俳句を作るそうだ。余計な言葉が削られていることにも納得できる。

嫌いな言葉は「愛」だとインタビューで答えている。それは、やはり言葉を大切にしているからだと思う。歌詞になると「愛」という言葉は上滑りになる。愛ってもっと重くて深くて、大切な時に使う言葉だったはず。音楽の秋。歌詞という小さな詩にも注目してみたい。

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