2015年3月16日月曜日

ぽとーん、ぽとーん。

by 井上雪子


公園の園路となっている階段に張り出していた 大木の枝を伐っていただいた。 今日、その階段を降りていくと、途中に小さな水溜りが ふたつ。
見上げると伐られた枝の切り口からの水が落ちて来る。
ぽとーん、ぽとーん、ぽとーん。
掌に受け、飲んでみようかと思った(やめておいたが)。
知ってはいたけれど、
土の中から根が吸い上げた水分が、 幹を通り、枝を抜け、葉に運ばれていく、 その目に見えない生命の力がふいに見える。
光りながら落ちて来る水玉。 
ぽとーん、ぽとーん。 
空、枝、土。 
見えないところで、 見えないように/見せないように、 水は生命を支え、繋げていく。 
腐り、倒れ、光が入り、長い時間が過ぎる。 
ぽとーん。

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