2015年2月2日月曜日

案外痛い豆になる

by 井上雪子


先週、職場の大先輩から、節分(豆まき)のお菓子を頂いた。手のひらサイズのパックに、紙の枡・笑顔の鬼のお面・煎り大豆、 なんとも可愛らしい。

何よりもこれを買ってきてくださったということ自体が、 なにかとても可愛らしい(大先輩に失礼?)気がする。それでも、笑顔の鬼というのはなんだかなあ。

『鬼の研究』(馬場あき子著、ちくま文庫、1988年)を、きちんと読みたいなあと思いながら、寒明け前のニュース番組に、「格差」や貧しさというものを生み出す人の世の深い暗さを思う。

イスラム国の砂漠での処刑実行動画、2008年の秋葉原大量殺人事件被告に死刑判決、『21世紀の資本』の著者であるトマ・ピケティ氏の来日・・・。

その闇、その鬼たちに、このパッキングされた可愛い豆は案外痛いのだろうか。 桃太郎をさがすのか、鬼と共存するのか、答えはないだろうが、明日、豆は小さな声で撒くような気がする。

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