2015年2月16日月曜日

デザインから想像する

by 梅津志保


リーフ柄のスカートを購入した。冬のクローゼットは、グレーや黒の無地の服が多く、そのリーフ柄のデザインのスカートが加わることで、クローゼットの中が一瞬華やぐ。私は、昨年、横浜高島屋で開催された「芹沢銈(金偏に圭)介の世界展」に行ったことを思い出した。

染色家芹沢の作品であるのれん、着物、帯が展示されていた。それらは実用品としてだけではなく、デザインが加わることで、芸術品として存在するということ、人を楽しませたり、驚かせることができるということを教えてくれる。

「水」と一文字染め抜かれたのれん。こののれんが、家や店先に掛けられていれば、様々な風が通り、またこののれんをくぐって、たくさんの人が出入りする。人との出会いは、風が吹くごとく、水が流れるごとく一瞬の清々しさ、自然と人が一体となる、そんなことを連想させる。

中でも私が一番好きなのは、「鯉泳ぐ文着物」だ(これを見に二回展覧会に足を運んだ。)。大小の鯉が何匹も、赤地の着物にデザインされている。鯉の大きな目と大胆な配置がとても印象的であり、圧倒される。この着物を着て人が現れたら、きっと注目されるだろう。着る人におめでたいことがあったのか、華やかな気持ちが表現されているように思う。

女子高生の二人組が、「このデザインおもしろいね。」と話しているのを見て、なんだかうれしくなった。このデザインを良しと思える若者がいて、これからの日本の文化も大丈夫!そんな気持ちになった。俳句も詩もデザインも日常にあるもの、忘れかけていた何かを教えてもらった。

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