2014年5月12日月曜日

言葉じゃないから

by 井上雪子


いまどきなのかどうだか、仕事用に会社から携帯電話を頂き、(ほぼ)真面目に仕事の連絡をしているのですが、今日はびっくりするほど愉快なメールが返信されてきました。
文面たった3行、
「井上雪ちゃん(雪だるまの絵)
こんにちは(^_-)
了解しました(^o^)小熊拝」

背景には、ふたりのやわらかな宇宙人みたいなものが交互にバンザイしたり笑ったり・・・。
日本では3本指に入るとの評判も高い70才はゆうに越える職人さんからのその返信メール、ひとりにやにやしながら、しかしなんだか気になりすぎる・・・。
パソコンメール、携帯メール、丁寧にしたつもりの『ですます調』がなぜか切り口上な感じになってしまうから、言葉に敏感なひとは語尾に顔文字や「ね。」、「よ~。」と気を遣っていたりします。が、そんなビジネスマナーとは別の次元、言葉という意味を離れ(^o^)気持ちを伝える、こんな勇気がほしいね~とは思いつつ、俳句には永遠、そんな勇気は必要とされていませんね~(笑)。

けれど、手書きの葉書を頂いた時の「ああ」と瞬時に伝えられる心、ドアを開けた朝の風や光、すれ違う人たちの香りや匂い、歯触り・手触り、色調、重さ、大きさ・・・、言葉じゃないから伝わる何か。意味なんて伝わらないのに泣いてしまうような、言葉じゃないから伝わる、そんなものの力の大きさを、なんだかこの可笑しなメールに思うのです。
言葉が大好きで、言葉にしかできないことがたくさんあることを知っているけれど、言葉じゃないから伝わる力を受け取りながら、日々をゆっくり暮らしていきたいと思います。

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