2016年3月9日水曜日

歌が歌ではなくて

by 井上雪子


自宅の近くに大きくて新しいマクドナルドがある。そこでコーヒーを飲んでいたら、なんだか、不思議な音楽が流れてきた。たぶんヨーロッパ系の、しいて言えばロックっぽい曲なのだが、「意味を持たない」歌を歌おうとしている、そんな思いが伝わってくる。

マックの音楽はたぶん、聴くことを意識させないものが選ばれているのだろう、ふと気になり印象に残る音楽は珍しい。

低い、男のヴォーカルは歌詞をうたってはいない。 呪文とかお経でもなく、言葉でもない。メロディでもリズムでさえもない。これはなんだろう。

歌ではなくなるエッジの上の歌、 歳時記から放たれた俳句のようなものだろうか。 あの歌はどこへ向かって、届き、育つのだろうか。

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