2015年11月3日火曜日

JAZZの闇

by 井上雪子


横浜・関内、『馬車道まつりアートフェスタ2015』の中の一つのJAZZコンサートに行ってきました。ホールの入口で頂いたプログラムに並ぶ『YOKOHAMA Boogie』、『China Town My China Town』、『Gaslight In The Twilight』・・・、関内の予備校で過ごした遠い日々が匂いだすようなタイトル、泰地虔郎さんとYOKOHAMA Port Beatsから流れだす音たちは弾むようにキラキラし、包むように柔らかでした。

プログラムにはなかったのですが、アンコールに応えて演奏された『大地のうた』、苦しいほどの迫力に圧倒されました。 ドラムスと尺八、鈴の響きだけで深く濃い闇が呼び出されていくような、音の生命力という感じでしょうか。日本のどこか、そして私のどこかに今もこれほど深い闇が眠っている、そんなことを確かに感じる空間のなかに座っていました。


そしてまた、日本の横浜でJAZZというスタイルを選ぶことへの思いの深さ、JAZZに溶かし込まれたものを受けとめ、大切にしてきた泰地さんの時間を思いました。音階の枠を越える豊かな一音の力、いまここを生きるJAZZの魅力、ひさしぶりに大人の時間を過ごした気がしました。

『馬車道まつりアートフェスタ2015』

泰地虔郎とYOKOHAMA Port Beats

(横浜・関内大ホール 2015年11月2日)


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