by 井上雪子
「たくさん買ってたくさん持つために、たくさん働いて、遊ぶことも忘れて、幸福ですか?」
ウルグアイから来日したムヒカ前大統領から、そう問われて、自分の身体や時間を、ましてや他者を大切にしてなかったなあと、あわてて身体や気持ちに謝ったりしてる。
それでも、風邪、なかなか治らない。クラプトンのコンサートに走っていく気力も出ないまま。
セブンイレブンのレジカウンターに熊本・大分震災への義援金箱があり、反射的にお釣りを入れる。
ただ、ひとの痛みが自分の痛みとしてカツーンと刺さらない。
自分がすべきことを自由にやっていく、そういう繋がっていく場所に立てていない気がする。
流れているもうひとつの時間の音、笑って待っているのが誰にせよ、あとどのくらい遠いのかさえ分からない場所。
月が一番遠くに見える春の夜、その一点。
禅僧のように掃除から始めようと、なんども何度も思うばかりで。
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